京都市の「京都アニメーション」のスタジオが放火され、33人が死亡し、35人が重軽傷を負った事件で、犯人はどうなるのか?
放火は殺人より重い犯罪
実は、刑法犯の中でも、放火は殺人より重い犯罪とされています。
理由としては、放火によって、人の生命と財産を奪うからです。人の財産も奪うから、放火は殺人より重い犯罪だと、大学生の頃教わりました。
とは言っても、刑法が改正されたようですが、条文を確認した所、殺人罪(199条)も放火罪(108条)も同じ位の刑罰でした。
死刑か、無期懲役か、5年以上の有期懲役とどちらも同じレベルの刑罰でした。
今回の京アニの事件ですが、多数の死傷者が出ていますので、死刑もあり得るでしょう。
死刑について改めて考えさせられた
刑法が改正されて、刑法11条に死刑の執行方法が明記されたようです。
11条1項 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
実は、昔、『 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律 』がありました。この法律に死刑の執行方法が明記されていました。
七十二条 死刑ヲ執行スルトキハ絞首ノ後死相ヲ検シ仍ホ五分時ヲ経ルニ非サレハ絞縄ヲ解クコトヲ得ス
この条文の「絞縄」という文字がちょっと癖がありまして、絞首と明記しないでわざわざ絞縄と明記しているので、ロープ(縄)で絞首せよと解釈されていたようです。
なので、死刑の執行ボタンが3個ありますが、そのいづれかの一つが執行ボタンなのですが、機械なのでいつ壊れるか分からない。壊れた時は、法律の文言通り、刑務官はロープ(縄)を用いて絞首せねばならないと解釈されていました。
しかし、現在は刑法に死刑の執行方法が明記され、「絞首」となっています。
つまり、現在はロープ(縄)じゃなくても良いって事なのでしょう。 ハンドタオルでも良いって事なのでしょう。
歴代の法務大臣の対応
刑事訴訟法で明記されているのですが、死刑判決を受けた後は、法務大臣は判決確定から半年以内に書類に判子を押せとしています。
判子が押されれば、死刑は執行されるという流れになっています。
しかし、歴代の法務大臣の中には、判子を押さない人がいたんですね。
理由はおそらく、死刑制度そのものに対して反対している、刑務官の人権を考えて判子を押したくない。
ただ、刑事訴訟法では判子を押せとしているのです。だから、判子を押さない法務大臣は職務怠慢だと批判されるのです。
刑務官の心情
いくら3人で死刑の執行ボタンを押すとはいえ、「私が押したボタンが死刑の執行ボタンだったのでは?」と思う刑務官がいるようです。
ノイローゼになる刑務官もいるとも聞きます。
確かに、いくら仕事の一つとは言え、最終的には自分が死刑を執行し、目の前にミノムシのようにぶら下がっている被告人がいるのです。被告人からは涙やオシッコが流れている。
しかも、死亡が確認ができても5分は刑務官は待機しないといけない。それを目撃しているんですよね。
(法改正はされていますが、5分待機は慣習として残っていると推測しています。)
結論
京アニの犯人は死刑になると思いますが、改めて死刑について考えさせられました。
なお、死刑廃止論者とかではありません。念のため。