「総理大臣っていつ決まるの?」ニュースで総理交代の話題を耳にするたび、多くの人がこの疑問を抱きます。
2025年10月の政権交代では、石破茂首相が9月7日に退陣を表明してから次の首相が決まるまで40日以上を要しました。
この記事では、総理大臣が決まるまでのプロセスと、そのタイミングについて分かりやすく解説します。
総理大臣が決まるタイミングとは
総理大臣が決まる主な3つのケース
総理大臣が新たに選ばれるのは、次の3つのタイミングです。
1. 内閣総辞職が行われたとき
内閣が総辞職した場合、国会で新しい総理大臣を指名する選挙が行われます。総辞職とは、総理大臣と全ての国務大臣が一斉に辞職することを指します。
2. 衆議院選挙の後
衆議院議員選挙の後に初めて召集される国会で内閣が総辞職し、首相指名選挙が実施されます。選挙で国会の勢力図が変わるため、あらためて国民の意思を反映した総理大臣を選ぶ必要があるのです。
3. 総理大臣が欠けたとき
総理大臣が死亡した場合や、国会議員の資格を失った場合などがこれに該当します。
最近の具体例:2025年10月の政権交代
2025年の政権交代では、自民党の総裁選が10月4日に実施され、高市早苗総裁が就任しました。
国会での首相指名は10月21日に行われる予定です。
このように、政権交代には数週間から1カ月以上の期間がかかることがあります。
総理大臣の決め方:国会での指名選挙
憲法に定められた手続き
日本国憲法第67条で「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」と定められています。
つまり、総理大臣は国民が直接選ぶのではなく、国民が選んだ国会議員が選ぶのです。
首相指名選挙の具体的な流れ
ステップ1:衆議院での投票
衆議院と参議院がそれぞれ独立して記名投票を行い、過半数の票を得た議員が各院の指名者となります。過半数を得た議員がいない場合は、上位2人による決選投票で決定します。
ステップ2:参議院での投票
衆議院と同様の手続きで、参議院でも総理大臣候補を指名します。
ステップ3:両院の議決が異なる場合
衆議院と参議院で指名された人物が異なる場合、両院協議会を開いて話し合います。それでも意見が一致しなければ、衆議院の議決が国会の議決となります。これを「衆議院の優越」といいます。
ステップ4:天皇による任命
国会で指名された人物が、皇居で行われる親任式で天皇から正式に総理大臣に任命されます。天皇の任命は形式的なものですが、日本国憲法に定められた重要な手続きです。
なぜ国民は総理大臣を直接選べないのか
議院内閣制という仕組み
日本は「議院内閣制」を採用しています。
国民は選挙で国会議員を選び、その国会議員が国会で首相を選ぶ投票をする仕組みです。
この制度には以下のメリットがあります。
- 迅速な政策決定:議会の多数派が内閣を形成するため、政策がスムーズに進みやすい
- 責任の明確化:内閣は常に国会の信任を必要とするため、国会に対する責任が明確
- 柔軟な政権交代:内閣不信任案が可決されれば総辞職か衆議院解散となり、必要に応じて政権交代が可能
アメリカの大統領制との違い
アメリカでは国民が直接投票して大統領を選びますが、日本では国会議員が総理大臣を選びます。
また、アメリカでは議会の多数派と大統領の政党が異なることもありますが、日本では通常、国会で多数を占める政党の代表が総理大臣になります。
自民党総裁選と総理大臣の関係
総裁選が注目される理由
自民党総裁選挙が大きく注目される理由は、日本の総理大臣を事実上決める選挙だからです。
現在は自民党が国会で多数議席を有しているため、自民党の総裁選びは次の総理大臣に直結します。
総裁選から首相就任までの期間
総裁選から国会での首相指名まで、自民党総裁と総理大臣が別人物となる「総総分離」の期間が10日から2週間以上続くことがあります。
この期間は、新総裁が野党との政策協議を行ったり、組閣(そかく)の準備を進めたりする時間となります。
総裁選の仕組み
2025年の自民党総裁選は10月4日に投票が行われました。
告示日は9月22日でした。
立候補するためには、国会議員20名の推薦人を確保しなければなりません。
総理大臣の任期はあるのか
法律上の任期は存在しない
総理大臣の任期は、日本の憲法では決まっていません。
自分で総辞職しない限り、ずっと総理大臣でいることができます。
ただし、実質的には以下の制約があります。
衆議院の任期
衆議院議員の任期は4年です(解散があればそれより早くなります)。総理大臣は国会議員でなければならないため、衆議院選挙で落選すれば総理大臣の資格も失います。
政党の総裁任期
自民党の総裁任期は3年(連続3期まで)と党規則で定められています。総裁の座を失えば、首相指名選挙での支持も失う可能性が高くなります。
内閣不信任決議
国会が「この総理大臣では困る」と思った時には、「内閣不信任決議」という形で意思表示ができます。衆議院で不信任案が可決されれば、総理大臣は10日以内に衆議院を解散するか、内閣総辞職をしなければなりません。
政治空白を避けるための仕組み
職務執行内閣
内閣総辞職や衆議院選挙の後、新しい総理大臣が決まるまでの間、前の内閣が「職務執行内閣」として必要最小限の仕事を続けます。
これにより、政治が完全に止まってしまう事態を避けています。
臨時国会の召集
衆参両院は臨時国会を召集し、新しい首相を指名します。
内閣総辞職後は、できるだけ速やかに新しい総理大臣を決めることが求められます。
まとめ:総理大臣が決まるまでの期間
総理大臣が決まるタイミングは状況によって異なりますが、一般的な流れをまとめると以下のようになります。
- 内閣総辞職または衆議院選挙:数日から数週間
- 与党の党首選び(該当する場合):1週間から2週間程度
- 国会召集と首相指名選挙:総辞職や選挙から2週間から1カ月程度
- 親任式と組閣:指名後、数時間から1日程度
2025年の例では、退陣表明から新首相決定まで40日以上を要しました。
政治情勢や政党間の調整の必要性によって、この期間は大きく変わります。
総理大臣という国のトップリーダーを選ぶプロセスは、民主主義の根幹をなす重要な手続きです。
国民が選んだ代表者が、慎重に審議を重ねて決定する仕組みになっているのです。
ニュースで政権交代の話題が出たときは、この記事を思い出して、いつ頃新しい総理大臣が決まるのか予想してみてください。


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