はじめに:なぜ今、金・銀投資が注目されているのか
2025年現在、世界的なインフレや地政学的リスクの高まりを背景に、金と銀への投資が大きな注目を集めています。
株式市場の不安定さや円安の進行により、実物資産である貴金属への関心が高まっているのです。
特に銀は2025年に入ってから約40~50%という驚異的な価格上昇を記録しており、投資家の間で話題となっています。
一方、金も安全資産としての地位を確立し、2025年末にはトロイオンスあたり3070ドルに達するという予測も出ています。
この記事では、金と銀への投資方法、それぞれのメリット・デメリット、具体的な投資手法まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
金投資の基礎知識
金投資とは
金投資は、実物資産である金を購入し、価格変動によって利益を得る投資手法です。
株式や債券とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散効果が期待できます。
金投資の主なメリット
1. 価値がゼロにならない安全資産
金は希少性が高く、実物そのものに普遍的な価値があります。企業の倒産や国の破綻といったリスクとは無縁で、資産価値が完全にゼロになることはありません。
2. インフレに強い
物価が上昇するインフレ局面では、金価格も連動して上昇する傾向があります。通貨価値の目減りから資産を守る効果が期待できます。
3. 有事に強い
戦争や経済危機などの有事の際には、安全資産として金への需要が高まり、価格が上昇する傾向があります。不確実性が高まる局面でのヘッジ手段として機能します。
4. 分散投資効果
金は株式や債券と異なる値動きをするため、これらの資産と組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを低減できます。
金投資のデメリット
1. インカムゲインがない
株式の配当金や債券の利息と異なり、金を保有しているだけでは利益は発生しません。売買差益のみが収益源となります。
2. 保管コストがかかる
現物を購入した場合、金庫や貸金庫などの保管コストが発生します。ETFなどでも信託報酬が必要です。
3. 為替リスクの影響を受ける
金価格は米ドル建てで取引されるため、円高・円安の為替変動が投資パフォーマンスに影響を与えます。
銀投資の基礎知識
銀投資の特徴
銀も金と同様に実物資産ですが、金よりも産出量が多く、価格は安価です。
2025年1月時点で、銀は1kgあたり約17万円程度となっています。
銀投資が注目される理由
1. 工業需要の拡大
銀は太陽光発電パネル、電子機器、電気自動車など、成長産業での需要が急増しています。産業用途が全体の半分以上を占めており、今後も需要拡大が見込まれています。
2. 供給不足の深刻化
2025年の世界の銀不足量は1.876億オンスと予測されており、年間採掘量の約2割に相当します。需要増と供給不足により、価格上昇圧力がかかっています。
3. 金に比べて割安
金銀比価(GSR)は2025年現在93付近で推移しており、歴史的に見ても銀が割安な水準にあります。一般的に50~80の範囲で推移するGSRが80を超えている状況は、銀の投資妙味を示唆しています。
4. 大きな値動きによる高リターンの可能性
銀市場は金市場よりも規模が小さいため、価格変動が大きくなる傾向があります。2025年には年初から約60%の価格上昇を記録しており、短期的な高リターンが期待できます。
銀投資のデメリット
1. 価格変動が激しい
市場規模が小さいため、金よりも価格変動が大きくなります。短期間で大きな損失を被るリスクもあります。
2. 景気の影響を受けやすい
工業需要が大きいため、景気後退時には需要が減少し、価格が下落する可能性があります。
3. 投機的要素が強い
過去に何度も投機的な買いで価格が急騰・急落を繰り返しており、適切なタイミングの見極めが難しい面があります。
金と銀、どちらに投資すべきか
投資目的による選択
長期的な資産保全を重視する場合→金がおすすめ
価格変動が比較的穏やかで、安全資産としての地位が確立されている金は、長期的な資産運用に適しています。
短期的なリターンを狙う場合→銀がおすすめ
価格変動が大きく、2025年も高いリターンを記録している銀は、積極的な投資スタイルに向いています。
バランス重視なら→両方を組み合わせる
金と銀の両方に分散投資することで、安定性と成長性のバランスを取ることができます。
金・銀への具体的な投資方法
ETF(上場投資信託)
特徴
- 証券取引所で株式と同様に売買できる
- 少額(数千円~)から投資可能
- 信託報酬は年0.5%前後
- 現物の保管が不要
おすすめ銘柄
【金ETF】
- 【1540】純金上場信託(金の果実)
- 【1326】SPDRゴールド・シェア
【銀ETF】
- 【1542】純銀上場信託(銀の果実):信託報酬0.55%
- 【1673】WisdomTree 銀上場投資信託:信託報酬0.49%
【分散型】
- 【1676】WisdomTree貴金属バスケット上場投資信託:金・銀・プラチナ・パラジウムに分散投資
純金積立・純銀積立
特徴
- 月々数千円から始められる
- ドルコスト平均法により購入単価を平準化
- 高値づかみのリスクを軽減
- 長期的な資産形成に最適
主な取扱業者
- 三菱マテリアル
- 田中貴金属
- SBI証券
- 楽天証券
現物購入(インゴット・地金)
特徴
- 実物を手元に保管できる
- 金は1g約12,700円(2025年4月時点)
- 銀は1kg約17万円(2025年1月時点)
- まとまった資金が必要
注意点
2025年6月現在、銀インゴットは供給不足により店頭での購入が困難な状況が続いています。投資需要の拡大により生産が追いついていないためです。
先物取引
特徴
- レバレッジをかけた取引が可能
- 短期間で大きな利益が狙える
- ハイリスク・ハイリターン
- 上級者向け
2025年の金・銀価格見通し
金価格の予測
専門家や投資家による予測では、2025年末までに金価格がトロイオンスあたり平均3070ドルに上昇すると見込まれています。
地政学的緊張、中央銀行の政策、インフレなどが主な価格変動要因となっています。
銀価格の予測
2025年の銀価格は引き続き強気な見通しで、一部のAI予測ではトロイオンスあたり46~56ドルとなる可能性が示されています。
これは1980年1月の史上最高値49.45ドルを上回る水準です。
産業需要の拡大と供給不足という構造的な要因が、中長期的な価格上昇を支えると考えられています。
金・銀投資を始める際の注意点
分散投資を心がける
金や銀だけに集中投資するのではなく、株式や債券、不動産など他の資産クラスとバランスよく組み合わせることが重要です。
為替リスクを理解する
金・銀価格は米ドル建てのため、円高・円安の影響を受けます。
購入時は円高、売却時は円安が有利です。
長期的な視点を持つ
短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な資産形成の観点から投資を続けることが成功の鍵となります。
コストを意識する
手数料、信託報酬、保管コストなど、各種コストを考慮して投資方法を選びましょう。
現物の保管に注意
インゴットなどの現物を購入する場合は、盗難リスクに備えて適切な保管方法を確保しましょう。
よくある疑問(FAQ)
Q1. 初心者はいくらから始めればいいですか?
A. ETFなら数千円から、純金積立なら月3,000円程度から始められます。まずは少額から始めて、慣れてきたら徐々に投資額を増やすことをおすすめします。
Q2. NISA口座で金・銀投資はできますか?
A. はい、多くの金・銀ETFがNISA口座での取引に対応しています。SBI証券や楽天証券では、NISA口座での売買手数料が無料になる場合もあります。
Q3. 金と銀、どちらが初心者向きですか?
A. 価格変動が穏やかで安定している金の方が初心者向きです。銀は値動きが大きいため、投資経験を積んでから挑戦することをおすすめします。
Q4. 金・銀投資にはどんなリスクがありますか?
A. 価格変動リスク、為替リスク、保管リスク(現物の場合)などがあります。また、インカムゲインがない点も理解しておく必要があります。
Q5. 現物とETF、どちらがおすすめですか?
A. 初心者にはETFがおすすめです。少額から始められ、保管の手間やコストがかからず、流動性も高いためです。
まとめ:自分に合った金・銀投資を始めよう
金・銀投資は、インフレや地政学的リスクへの備えとして、ポートフォリオに組み込む価値のある資産クラスです。
金投資が向いている人
- 長期的な資産保全を重視する
- 安定した投資を好む
- リスクを抑えたい
銀投資が向いている人
- 短期的なリターンを狙いたい
- 値動きの大きさを許容できる
- 成長産業への投資に興味がある
2025年は金・銀ともに好調なパフォーマンスを見せており、投資を始めるには良いタイミングと言えるでしょう。
ただし、投資にはリスクが伴うことを忘れず、自分の投資目的やリスク許容度に合った方法を選択することが大切です。
まずは少額から、ETFや純金積立などの初心者向けの方法で始めてみることをおすすめします。
そして、市場の動向を学びながら、徐々に投資規模を拡大していくことで、貴金属投資のノウハウを身につけていきましょう。


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