不動産クラウドファンディングとは
不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて複数の投資家から資金を集め、その資金で不動産を購入・運用し、得られた収益を投資家に分配する投資手法です。
2017年に改正された不動産特定共同事業法により法的に認められるようになり、急速に事業者数が増加しており、2022年度の総出資額は約604億円と前年度比約2.61倍に拡大しています。
従来の不動産投資では数千万円の資金が必要でしたが、不動産クラウドファンディングでは多くのサービスで1万円から投資が可能になり、個人投資家の参入障壁が大幅に下がりました。
不動産クラウドファンディングの8つのメリット
少額から始められる手軽さ
不動産クラウドファンディング最大のメリットは、1万円という少額から投資を始めることができる点です。
通常の現物不動産投資では最低でも数百万円から数千万円の資金が必要ですが、不動産クラウドファンディングなら手元資金が限られている方でも気軽に不動産投資を始められます。
初心者の方は少額から始めて経験を積み、投資に慣れてから投資金額を増やしていくことができます。
また、複数の案件に分散投資することでリスクを抑えることも可能です。
安定した利回りが期待できる
不動産クラウドファンディングの平均的な年換算利回りは4~8%程度で、一般社団法人不動産クラウドファンディング協会のデータによると平均利回りは7.3%です。
中には利回り10%を超える高利回り案件も存在します。(※これは稀です。)
不動産投資は景気に左右されにくく、安定収益を得やすい投資と言われており、実際の不動産を裏付け資産としているため、株式やFXと比べて値動きが安定している点が魅力です。
銀行預金の金利と比較すると、圧倒的に高いリターンが期待できます。
完全にほったらかしで運用できる
不動産クラウドファンディングでは、入居者との契約や物件の修繕といった管理業務はすべて運営会社に任せられ、ほったらかしで不動産投資を始められます。
申込や契約、分配金支払いなどの煩わしい契約実務がすべてオンライン上で完結するため、投資後は運用終了まで待つだけです。
現物不動産投資のように、物件管理や入居者対応、修繕の手配などに時間を取られることがありません。
本業が忙しい方でも、手間をかけずに不動産投資の恩恵を受けられます。
スマートフォンだけで投資が完結
基本的にはスマートフォンだけで完結できる手軽さで注目を集めています。
投資家登録から案件選び、契約、分配金の受け取りまで、すべてインターネット上で手続きが可能です。
不動産会社への訪問や紙の契約書への署名・押印といった煩雑な手続きは一切不要。
通勤時間やスキマ時間を活用して、気軽に投資判断ができます。
優先劣後方式でリスクを軽減
多くの不動産クラウドファンディングサービスでは優先劣後方式を採用しています。
優先劣後型とは、もしファンドが元本割れした場合、運営元が先に損失を被り小口出資者の資産を守る制度です。
劣後出資の割合が高いほど投資家の元本が守られやすく、10〜30%程度の設定が一般的です。
つまり、物件価値が一定範囲内で下落しても、投資家の元本は守られる仕組みになっています。
この制度により、REITにはないリスク軽減効果が得られます。
日々の価格変動がない
株式やFX、ビットコインなどの暗号資産は日々の価格変動があり、商品によっては1日で20%以上の価格変動もありますが、不動産クラウドファンディングには日々の価格変動がありません。
投資後は値動きに振り回されて一喜一憂することなく、精神的な負担も少なく運用できます。
変動幅の大きい株式投資などとの分散投資先としても最適です。
運用期間が明確で資金計画が立てやすい
不動産クラウドファンディングのファンドは、あらかじめ運用期間が決まっており(2年が多い)、短期間から長期間まで様々な運用期間のファンドの中から自分に合ったファンドを選ぶことができます。
運用期間が決まっていることで、いつ資金が戻ってくるのか、どれくらいの分配金が得られるのかが事前に分かるため、資金管理がしやすくなります。
運用終了後は再投資に回すこともでき、計画的な資産形成が可能です。
多様な投資先から選べる
不動産クラウドファンディングの投資先は、居住用マンションや商業ビルのほかにも、空き家再生プロジェクトやリゾート開発プロジェクトなど多岐にわたります。
各ファンドでは物件の立地、築年数、広さ、間取りなどの詳細情報が公開されているため、自分の投資方針に合った案件を選ぶことができます。
地域や物件タイプを分散させることで、リスクヘッジも可能です。
不動産クラウドファンディングと他の投資商品の違い
REITとの違い
REITは投資信託の一種で、不動産の運用だけでなく選定もプロが行い、投資家が具体的に指定することはできません。
また、金融商品であるため社会情勢や為替の影響を受け、不動産の価格変動よりも短いスパンで価格が変動すること、すぐに現金化できることも特徴です。
一方、不動産クラウドファンディングでは具体的な物件情報を確認して投資判断ができ、優先劣後方式によるリスク軽減の仕組みがある点が大きな違いです。
ソーシャルレンディングとの違い
ソーシャルレンディングは集めた資金が貸付に充てられ、融資先の企業が不動産を購入することもありますが、お金の使い道は不動産に限りません。
不動産クラウドファンディングは資金の用途が不動産の運用に特化しているため、より透明性が高く、投資判断がしやすいと言えます。
現物不動産投資との違い
現物不動産投資では物件の管理や運営に手間がかかり、数千万円単位の初期費用が必要です。
また、入居者募集の際の家賃設定、入居希望者との契約判断、設備の交換や修繕の決定など、管理会社とやり取りしながら自分で決定しなくてはなりません。
不動産クラウドファンディングなら、これらの手間や高額な初期費用が不要で、気軽に不動産投資を始められます。
不動産クラウドファンディングが向いている人
投資初心者の方
一口1万円から気軽に投資ができること、運用終了時に元本をそのままに分配金額を加えて償還されることなど、初心者が安心して投資ができる条件が整っています。
少額から始めて経験を積むことができるため、投資の第一歩として最適です。
本業が忙しい方
不動産クラウドファンディングは投資後の運用の手間が非常に少ないため、本業の合間に行うことが可能です。
管理業務は事業者が行うため、時間を取られることなく不動産投資ができます。
分散投資を考えている方
不動産は株や債券とは異なるリスク・リターン属性を持つオルタナティブ資産として評価されており、景気変動の影響を受けにくいため、複数を組み合わせて資産のポートフォリオを設計することが大事とされています。
少額から気軽に始められるため、分散投資先として組み込みやすい特徴があります。
注意すべきポイント
元本保証はない
不動産クラウドファンディングでは、出資法により元本保証が法律で禁じられており、元本割れのリスクを完全に排除することはできません。
ただし、多くのサービスでは優先劣後方式によってリスクを軽減しています。
人気案件は投資できない場合がある
高利回りプロジェクトに応募しても投資できないということが珍しくなく、特に先着順で募集される案件は募集開始から数分で枠が埋まることもあり、抽選方式を採用する案件も応募者が殺到して倍率が非常に高くなるため、応募しても投資できないケースが多いのが現状です。
事業者選びが重要
運営事業者が無名の場合は信頼性が確認できず、特に情報開示が不十分なプラットフォームや実績が少ない企業には注意が必要です。(※上場企業であれば、問題ないです。)
事業者の規模、これまでの償還実績、劣後出資の割合などを確認し、信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
まとめ
不動産クラウドファンディングは、少額から始められ、安定した利回りが期待でき、運用の手間がかからないという3つの大きなメリットがあります。
優先劣後方式によるリスク軽減の仕組みもあり、投資初心者から経験者まで幅広く活用できる投資手法です。
複数のサービスを併用することで案件の比較や検討がしやすくなり、より有利な投資判断が可能になります。
また、複数の事業者やファンドに分散投資することでリスクを抑え、安定性の高いポートフォリオ構築にも繋がります。
ただし、元本保証がないことや人気案件への投資の難しさなど、注意すべき点もあります。
信頼できる事業者を選び、余裕資金の範囲内で投資を始めることをおすすめします。


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