銀投資は金やプラチナと比べて安価で始めやすい貴金属投資として注目を集めていますが、投資を始める前にはデメリットやリスクをしっかりと理解しておくことが重要です。
本記事では、銀投資の主なデメリットを詳しく解説し、それぞれの対策方法についても紹介します。
銀投資の7つの主なデメリット
価格変動が大きく不安定
銀投資の最も大きなデメリットは、価格変動の幅が非常に大きいことです。
金と比較すると、銀の市場規模は小さく、投機マネーの流入によって価格が急激に上下します。
過去には「シルバーショック」と呼ばれる大きな価格変動が何度も発生しています。
最も有名なのは1979年から1980年にかけて発生したハント相場で、銀価格は1オンスあたり約6ドルから50ドル超まで急騰した後、約10ドルまで暴落しました。
このような価格の不安定性は、短期的に大きな利益を狙えるチャンスでもありますが、同時に大きな損失を被るリスクも秘めています。
特にリスク管理の経験が少ない初心者にとっては、注意が必要な特徴と言えるでしょう。
景気に左右されやすい
銀は工業用途での需要が全体の約半分以上を占めており、半導体、電子機器、太陽光パネルなどの製造に欠かせない素材です。
そのため、経済の好不況に価格が大きく影響を受けます。
経済が好調な時期には製造業の活動が活発になり銀の需要が増えますが、不況時には製造業が減速し需要が低下します。
特に大規模な経済危機が発生した際には、銀価格が大きく下落するリスクがあります。
実際、リーマンショック時には銀価格連動ETFが約40パーセントも下落した事例があり、景気動向を常に注視する必要があります。
利息や配当がない
株式投資には配当金が、銀行預金には利息がありますが、銀を保有しているだけでは何も収益が発生しません。
これは「インカムゲイン」がないことを意味します。
銀投資で利益を得るには、購入価格よりも高い価格で売却する必要があり、これを「キャピタルゲイン」と呼びます。
つまり、銀投資の収益は完全に売買差益のみに依存しているため、価格が上昇しなければ利益を得ることができません。
長期保有を前提とする投資家にとって、保有期間中に定期的な収入が得られない点は大きなデメリットと言えるでしょう。
保管・管理が難しい
現物として銀を購入した場合、保管と管理に課題があります。
まず、銀は金に比べて価格が安いため、同じ金額を投資すると物理的な量が多くなります。
そのため、大量に保有する場合は保管スペースの確保が必要になります。
さらに、銀は硫化によって変色しやすい性質があります。
空気中の硫黄成分と反応して黒ずむため、適切な保管環境が求められます。
また、自宅で保管する場合は盗難のリスクもあり、金庫の設置や貸金庫の利用など、セキュリティ対策にもコストがかかります。
売却時の流動性の問題
銀の現物投資では、売却したいタイミングで必ずしもすぐに買い手が見つかるとは限りません。
特に大量の銀を保有している場合、一度に売却することが難しい場合があります。
また、購入した価格よりも市場価格が下がっている場合、損失を覚悟で売却するか、価格が回復するまで待つ必要があります。
価格下落時の即時売却の難しさは、現物投資特有のデメリットと言えます。
手数料やコストがかかる
銀投資には様々なコストが発生します。
現物を購入する場合は購入手数料がかかり、売却時にも手数料が発生します。
投資信託やETFを利用する場合は、信託報酬などの運用コストが継続的に発生します。
さらに、現物を安全に保管するための金庫の購入費用や貸金庫の利用料、保険料なども考慮する必要があります。
これらのコストは長期保有する場合、累積すると無視できない金額になります。
税金の仕組みが複雑
銀投資には様々な税金がかかり、その計算方法も複雑です。
現物投資の場合、売却益は譲渡所得として課税されます。
保有期間が5年以内の短期譲渡所得と、5年を超える長期譲渡所得では税率が異なります。
投資信託やETFの場合は、売却益に対して譲渡所得税が課されます。
また、銀を相続した場合は相続税の対象となり、贈与を受けた場合は贈与税がかかります。
ただし、給与所得が2,000万円以下で売却益が20万円以下の場合は、確定申告が不要というルールもあります。
銀投資のメリットも理解しよう
デメリットばかりを強調しましたが、銀投資には以下のようなメリットもあります。
- 金やプラチナに比べて安価で少額から投資可能
- インフレに強い実物資産
- 価格変動が大きいため短期的な利益を狙える
- 産業需要の拡大による将来的な価格上昇の期待
これらのメリットとデメリットを総合的に判断することが重要です。
銀投資のデメリットを軽減する対策
分散投資を心がける
銀のみに集中投資するのではなく、金、プラチナ、株式、債券など、異なる資産クラスに分散して投資することでリスクを軽減できます。
積立投資を活用する
一度に大量購入するのではなく、毎月一定額を積み立てる方法(ドルコスト平均法)を利用することで、高値掴みのリスクを軽減できます。
現物ではなくETFや投資信託を検討
保管の手間やコストを避けたい場合は、銀価格に連動するETFや投資信託を利用する方法もあります。
これにより物理的な保管の問題を解決できます。
長期的な視点を持つ
短期的な価格変動に一喜一憂せず、中長期的な視点で投資を行うことで、価格変動リスクを抑えることができます。
経済指標や産業動向をチェック
銀は工業用途が多いため、半導体産業や太陽光発電などの動向、世界経済の状況を定期的にチェックすることが重要です。
銀投資が向いている人、向いていない人
向いている人
- 中長期的な視点で投資できる人
- 価格変動のリスクを許容できる人
- 少額から投資を始めたい人
- ポートフォリオの分散を図りたい人
- 工業分野の成長に期待する人
向いていない人
- 安定的な収益を求める人
- 短期的な利益を確実に得たい人
- リスク許容度が低い人
- 保管や管理の手間をかけたくない人
- 経済や市場の動向をチェックする時間がない人
まとめ:デメリットを理解した上で賢く投資しよう
銀投資には、価格変動の大きさ、景気への依存、インカムゲインの欠如、保管の難しさなど、いくつかの重要なデメリットがあります。
しかし、これらのデメリットを正しく理解し、適切な対策を講じることで、銀投資を資産運用の選択肢の一つとして活用することは可能です。
特に、太陽光発電や電子機器などの産業需要の拡大により、今後銀価格が上昇する可能性も指摘されています。
投資を始める前には、自分のリスク許容度や投資目的を明確にし、銀投資が自分に適しているかどうかを慎重に判断しましょう。
また、不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや投資アドバイザーに相談することもおすすめです。
正しい知識と計画的な投資戦略で、銀投資のデメリットを最小限に抑えながら、そのメリットを最大限に活用しましょう。


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