プラチナ埋蔵量の真実:金より希少な貴金属の現状と将来性

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プラチナの埋蔵量はどれくらい?驚きの数字を公開

プラチナは美しい輝きと産業用途の多様性から世界中で重宝される貴金属です。

しかし、その埋蔵量は多くの人が想像する以上に限られています。

地球上に存在するプラチナの推定総量は約16,000トンとされています。

これはオリンピックプール約1杯分に相当する量です。

一方、金の埋蔵量は約54,000トンであることから、プラチナは金の約3分の1しか存在しない極めて希少な資源であることがわかります。

さらに注目すべきは、これまでに採掘されたプラチナの総量です。

有史以来、人類が手にしたプラチナは約5,000〜7,000トン程度といわれています。

金の総採掘量が約15〜17万トンであることと比較すると、プラチナがいかに貴重であるかが明確になります。

プラチナ採掘量の現状:年間わずか200トン

プラチナの年間供給量は約200トン前後で推移しており、これは金の年間供給量約3,000トンの約19分の1という少なさです。

この数字が示すように、プラチナは生産効率の面でも非常に限られた資源なのです。

プラチナの採掘が困難な理由の一つは、その含有率の低さにあります。

1トンの原鉱石からわずか約3gのプラチナしか採取できません。

これは金の採掘(1トンあたり約5g)と比較しても効率が悪く、採掘に膨大な時間とコストがかかることを意味しています。

世界のプラチナ産出国トップ5

プラチナの産出は特定の国に大きく偏在しています。

2025年現在の主要産出国は以下の通りです。

1位:南アフリカ(世界シェア約71.5%)

南アフリカは圧倒的なプラチナ産出国として君臨しています。

特に「ブッシュフェルト複合岩体」と呼ばれる約12万平方キロメートルの岩盤地帯には、豊富なプラチナ資源が埋蔵されており、南アフリカのプラチナの80%以上がこの地域から産出されています。

しかし、2025年2月には南アフリカで発生した洪水被害により、アマンデルブルト鉱山の生産に影響が出るなど、供給不安の要因も抱えています。

2位:ロシア(世界シェア約8.1%)

ロシアは世界第2位のプラチナ産出国です。

南アフリカとロシアを合わせると、世界のプラチナ供給量の約90%を占めることになります。

3位:ジンバブエ(世界シェア約5.9%)

ジンバブエも重要なプラチナ産出国として知られています。

上位3カ国で世界の産出量の約95%を独占している状況です。

その他:北米など

カナダやアメリカも少量ながらプラチナを産出しています。

プラチナが希少な理由:隕石起源説

プラチナの希少性を理解する上で興味深いのが、その起源に関する説です。

プラチナはもともと地球上に存在した金属ではなく、遠い昔に地球に飛来した隕石によってもたらされたとする説が有力とされています。

このため、金以上に採掘できるエリアが限られていると考えられており、新たな鉱床の発見が稀である理由の一つとなっています。

プラチナ枯渇問題:あと何年で枯渇する?

現在のペースでプラチナを採掘し続けた場合、埋蔵量16,000トンは約90年で枯渇してしまう計算になります。

これは決して遠い未来の話ではなく、私たちの世代、もしくは次の世代が直面する可能性のある深刻な問題です。

プラチナの枯渇が懸念される理由は、埋蔵量の少なさだけではありません。

自動車部品、医療器具、パソコン部品など、産業用途における需要の多さも大きな要因となっています。

プラチナの主な用途

プラチナは以下のような分野で活用されています。

  • 自動車触媒(約60%以上):排ガス浄化装置として使用され、特にディーゼル車では欠かせない素材
  • 宝飾品(約30%未満):結婚指輪や高級ジュエリーとして人気
  • 工業用途:パソコンのハードディスク、医療器具、化学工業の触媒など
  • 投資用途:地金やコインとして資産保全の手段

特に自動車産業での使用が全体の約4割を占めており、世界の自動車生産動向がプラチナ価格に直接影響を与える構造となっています。

2025年のプラチナ市場:供給不足が深刻化

2025年現在、プラチナ市場は深刻な供給不足に直面しています。

世界プラチナ投資評議会(WPIC)によると、2025年のプラチナ供給は需要に対して年間約30トン不足する見通しで、これは3年連続の不足となります。

価格高騰の背景

2025年12月23日時点のプラチナ価格は、1グラムあたり約9,086〜12,024円程度で取引されています。

2024年の最高値が1グラムあたり5,492円だったことを考えると、約6,500円近く増加しており、著しい価格上昇を見せています。

この高騰の主な要因は以下の通りです。

  1. 南アフリカの供給不安:洪水被害による鉱山の生産減少
  2. 中国の需要増加:2025年第1四半期には中国でのプラチナ宝飾品需要が前年比15%増加
  3. 構造的供給不足:3年連続での需給不足
  4. 投資需要の拡大:金と比較したプラチナの割安感が注目される

日本の「都市鉱山」:新たな供給源としての可能性

天然のプラチナ鉱山が枯渇の危機に瀕する中、注目を集めているのが「都市鉱山」という概念です。

都市鉱山とは、廃棄された自動車部品、医療器具、パソコンなどの廃棄物の中に含まれる貴金属のことを指します。

日本は天然鉱石の輸入に頼っている一方で、都市鉱山の埋蔵量では世界でも有数の「資源大国」なのです。

特にプラチナに関しては、廃棄された自動車の排ガス浄化触媒から回収・再利用する技術において、日本は世界トップクラスの水準を誇っています。

リサイクルによる供給

2021年のデータによると、約51.6トンのプラチナがリサイクルによって供給されました。

その内訳は以下の通りです。

  • 自動車廃触媒:約38.4トン
  • 宝飾品:約11.8トン
  • 電子材:約1.4トン

このように、リサイクルは今後のプラチナ供給において重要な役割を果たすことが期待されています。

プラチナ価格の今後:2026年以降の見通し

2025年末から2026年にかけてのプラチナ価格について、多くの専門家は慎重ながらも強気な見方を示しています。

短期的な見通し(2026年前半)

短期的には、2025年12月の急上昇の反動で一時的に動きが落ち着く可能性があります。

しかし、供給不足が続いていることや需要が底堅いことを考えると、価格が大きく下がる可能性は低いと考えられています。

中長期的な見通し(2026年以降)

以下の要因から、中長期的にはプラチナ価格の上昇が期待されています。

  1. 燃料電池車の普及:水素社会実現に向けた脱炭素化推進により、プラチナ需要の拡大が見込まれる
  2. インフレによる物価高騰:実物資産としてのプラチナの価値が高まる
  3. 継続的な供給不足:新規鉱床の発見が困難な状況が続く
  4. 金との価格差:歴史的に見てプラチナの割安感が強い

ただし、以下のリスク要因にも注意が必要です。

  • アメリカの高金利政策による景気減速
  • 地政学リスクによる供給の不安定化
  • 代替物質の開発による需要減少の可能性

プラチナ投資を検討する際のポイント

プラチナへの投資を考える際は、以下の点を考慮することが重要です。

メリット

  • 金よりも高い希少性
  • 工業用途の多様性による堅調な需要
  • 供給不足による価格上昇の可能性
  • 金と比較した割安感

デメリット

  • 金と比較して市場規模が小さく、価格変動が大きい
  • 産出国が限られており、地政学リスクの影響を受けやすい
  • 景気動向に左右されやすい

投資方法

プラチナへの投資方法には以下のようなものがあります。

  • 地金・コイン購入:実物資産として保有
  • プラチナ積立:1,000円から始められる証券会社も
  • プラチナETF:証券市場で売買可能
  • プラチナ先物取引:レバレッジを効かせた取引

まとめ:限りある資源としてのプラチナ

プラチナは地球上に約16,000トンしか存在しない、金よりも希少な貴金属です。

年間供給量も約200トンと限られており、現在のペースで採掘が続けば90年程度で枯渇する可能性があります。

2025年現在、プラチナ市場は深刻な供給不足に直面しており、価格は大幅に上昇しています。

今後も燃料電池車の普及や工業用途の拡大により、需要は堅調に推移すると予想されています。

一方で、日本の都市鉱山に代表されるリサイクル技術の進展は、限りある資源を有効活用する上で重要な役割を果たすでしょう。

プラチナという貴重な資源を未来の世代に繋いでいくためには、採掘だけでなく、再利用や新たな採掘方法の開発についても真剣に考えていく必要があります。

投資対象としても、実物資産としても魅力的なプラチナ。

その希少性と将来性を理解した上で、長期的な視点で向き合うことが重要といえるでしょう。

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