プラチナETFとは?基礎知識を押さえよう
プラチナETF(上場投資信託)は、プラチナ価格に連動する金融商品です。
現物のプラチナを購入するのと同様の投資効果が得られる一方で、保管の手間や盗難リスクがない点が大きな魅力となっています。
東京証券取引所に上場しているため、株式と同じように証券口座から簡単に売買が可能です。
数千円から投資できる銘柄もあり、まとまった資金がなくても始められる手軽さが特徴です。
プラチナは金よりも埋蔵量が少なく希少性が高い貴金属で、自動車の排ガス浄化触媒や燃料電池車の部品、医療機器など産業用途での需要が高い金属です。
2024年時点では、プラチナ1gあたりの価格は5,000円台で推移しており、13,000円台の金と比較すると割安な水準にあります。
国内プラチナETF主要3銘柄を徹底比較
国内で取引できる代表的なプラチナETFを比較してみましょう。
【1541】純プラチナ上場信託(現物国内保管型)
国内プラチナETFの中で最も代表的な銘柄です。
現物プラチナ地金の価格に連動するシンプルな設計で、日本円ベースで値動きを追いやすい特徴があります。
基本情報
- 運用会社: 三菱UFJ信託銀行
- 信託報酬: 0.55%
- 総資産額: 約150億円(2024年6月時点)
- NISA対応: 成長投資枠で対応
- 最低投資金額: 約4,000円前後
この銘柄の最大の特徴は、新NISAの成長投資枠で取引できる唯一のプラチナETFである点です。
一定の受益権口数に達すればプラチナ現物との交換も可能で、長期保有に適しています。
【1674】WisdomTree 白金上場投資信託
信託報酬の安さと総資産額の多さが魅力の銘柄です。
基本情報
- 運用会社: WisdomTree
- 信託報酬: 0.39%
- 総資産額: 約200億円超
- NISA対応: 対象外
- 最低投資金額: 数千円程度
信託報酬が0.39%と国内プラチナETFの中で最も低コストな点が大きなメリットです。
頻繁に売買する投資家や、コストを重視する方に適しています。
【1682】NEXT FUNDS 日経・JPX白金指数連動型上場投信
注意: 本銘柄は2024年に繰上償還(上場廃止)となっており、現在は新規投資できません。
資産規模が小さく安定的な運用が困難となったため、運用が終了しました。プラチナETF投資を検討する際は、総資産額の規模も重要な選定基準となることがわかります。
米国プラチナETFという選択肢
海外ETFに目を向けると、より多様な選択肢があります。
【PPLT】Aberdeen Standard Physical Platinum Shares ETF
米国市場で最も流動性の高いプラチナETFです。
現物プラチナを保有する形式で、グローバルな投資家から支持されています。
基本情報
- 経費率: 0.60%
- 取引通貨: 米ドル
- 特徴: 高い流動性と取引量
米国株取引が可能な証券口座があれば購入できますが、為替リスクや外国税の考慮が必要です。
【PLTM】およびその他の米国ETF
PPLT以外にも複数の選択肢がありますが、流動性や総資産額を考慮すると、PPLTが最も安定した選択肢といえます。
プラチナETF vs 金ETF:どちらを選ぶべき?
プラチナと金は同じ貴金属ですが、投資特性が大きく異なります。
値動きの違い
金の特徴
- 有事の金として、経済不安時に価格上昇
- 安全資産としての側面が強い
- 価格変動が比較的穏やか
- 宝飾需要と投資需要がバランス良く存在
プラチナの特徴
- 景気回復時に価格上昇しやすい
- 産業需要が価格を左右する
- 価格変動が金より大きい(ハイリスク・ハイリターン)
- 工業用途が需要の中心
リスクとリターンの観点
プラチナは金よりもボラティリティが高く、過去5年間で見ると大きな値動きを示しています。
これは、短期的に高いリターンを狙える可能性がある一方で、損失リスクも大きいことを意味します。
金は安定性を重視する投資家に、プラチナは積極的にリターンを追求したい投資家に向いているといえるでしょう。
プラチナETF投資のメリット5選
少額から始められる
現物プラチナを100g購入するには約50万円必要ですが、ETFなら4,000円程度から投資可能です。
投資初心者でも心理的ハードルが低く始められます。
保管リスクがゼロ
現物投資では盗難や紛失のリスクがありますが、ETFならその心配は不要です。
金庫を用意したり、貸金庫を借りたりする必要もありません。
流動性が高い
株式と同じように証券取引所で売買できるため、換金性に優れています。
必要なときにすぐに現金化できる点は大きなメリットです。
株式との分散投資効果
プラチナは株式と異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み入れることでリスク分散効果が期待できます。
特に景気回復局面では、株式とプラチナが共に上昇する可能性があります。
インフレヘッジになる
実物資産であるプラチナは、インフレ時に価値が上がる傾向があります。
現金の価値が目減りする局面でも、資産を守る効果が期待できます。
プラチナETF投資のデメリットと注意点
配当・利息がない
株式の配当や債券の利息のようなインカムゲインは得られません。
利益は売却時の値上がり益のみとなります。
価格変動リスクが大きい
プラチナは金よりも価格変動が激しく、短期間で大きな損失を被る可能性があります。
2008年のリーマンショック時には大幅に下落した歴史があります。
地政学リスク
世界のプラチナ産出量の約70%以上を南アフリカが占めているため、同国の政情不安や電力問題が価格に直接影響します。
供給が特定地域に集中しているリスクは無視できません。
産業需要に左右される
ディーゼル車の減少など、産業構造の変化が需要を減少させる可能性があります。
ただし、燃料電池車の普及により、新たな需要も期待されています。
為替リスク(海外ETFの場合)
米国ETFに投資する場合、円高になると円換算での資産価値が目減りするリスクがあります。
おすすめのプラチナETFはこれだ!
投資目的別におすすめの銘柄を紹介します。
NISA枠で投資したい方
【1541】純プラチナ上場信託一択です。
新NISAの成長投資枠で取引できる唯一の選択肢であり、総資産額も十分な規模があります。
コストを最重視する方
【1674】WisdomTree 白金上場投資信託がおすすめです。
信託報酬0.39%は国内最安水準で、長期保有でもコスト負担を抑えられます。
グローバル分散を目指す方
米国市場の【PPLT】を検討してください。
流動性が高く、世界中の投資家が取引している安心感があります。
プラチナETFの買い方・始め方
ステップ1: 証券口座を開設する
まずはネット証券で口座開設が必要です。
楽天証券、SBI証券、マネックス証券などが、プラチナETFの取扱いがあります。
NISA口座も同時に開設しておくことで、非課税メリットを享受できます。
新NISAは年間投資上限が拡大され、非課税保有期間も無期限になったため、長期投資に最適です。
ステップ2: 投資銘柄を選ぶ
本記事で紹介した比較表を参考に、自分の投資目的に合った銘柄を選びましょう。
初心者の方は、まずNISA対応の【1541】から始めるのが無難です。
ステップ3: 注文を出す
株式と同じように、銘柄コード(4桁の数字)を入力して注文します。
成行注文でも指値注文でも可能です。
ステップ4: 定期的にチェックする
プラチナ価格は世界経済や産業動向に影響されます。
定期的にニュースをチェックし、必要に応じてリバランスを検討しましょう。
プラチナ投資の将来性と今後の見通し
供給不足が続く見込み
2023年、2024年と2年連続でプラチナは供給不足の状態にあるとされています。
需要に対して供給が追いついていない状況は、価格上昇の追い風となる可能性があります。
燃料電池車(FCV)への期待
ディーゼルエンジンの需要減少が懸念される一方で、環境配慮型の燃料電池車の触媒としてプラチナの需要拡大が期待されています。
水素社会の実現に向けた動きは、長期的なプラチナ需要を支える要因となるでしょう。
パラジウムからの代替需要
プラチナの価格がパラジウムよりも割安な状況が続けば、ガソリン車の触媒でもプラチナへの代替が進む可能性があります。
経済回復シナリオ
世界経済が回復基調を強めれば、工業用需要の増加によりプラチナ価格の上昇が期待できます。
ただし、景気減速リスクも常に考慮する必要があります。
よくある疑問(FAQ)
Q: プラチナETFとプラチナ積立の違いは?
A: プラチナETFは証券取引所で売買する金融商品で、いつでも売買可能です。プラチナ積立は毎月定額で購入する方式で、ドルコスト平均法の効果が得られます。
Q: プラチナETFは初心者でも始められますか?
A: はい。数千円から投資できる銘柄もあり、証券口座さえあれば株式と同じように取引できます。ただし、価格変動リスクは理解しておく必要があります。
Q: 金とプラチナ、どちらに投資すべきですか?
A: 安定性を求めるなら金、積極的なリターンを狙うならプラチナです。両方に分散投資することでバランスの取れたポートフォリオが構築できます。
Q: プラチナETFで現物は受け取れますか?
A: 【1541】など一部の銘柄では、一定口数以上保有すれば現物プラチナと交換可能です。ただし、銘柄により条件が異なります。
Q: 税金はどうなりますか?
A: 売却益は譲渡所得として課税されます(約20%)。NISA口座で取引すれば非課税になります。
まとめ:自分に合ったプラチナETFで資産形成を
プラチナETFは、希少性の高い貴金属に手軽に投資できる魅力的な金融商品です。
少額から始められ、保管の手間もかからないため、投資初心者にも適しています。
国内では【1541】がNISA対応で総資産額も十分、【1674】は低コストが魅力です。
それぞれの特徴を理解し、自分の投資スタイルや目的に合った銘柄を選びましょう。
ただし、プラチナは金よりも価格変動が大きく、地政学リスクや産業動向に影響されやすい点には注意が必要です。
ポートフォリオ全体の5〜10%程度にとどめ、分散投資の一環として活用することをおすすめします。
2024年以降も供給不足が続く見込みであり、燃料電池車の普及など長期的な需要拡大も期待されています。
今後の市場動向を注視しながら、賢明な投資判断を行っていきましょう。


コメント