プラチナ価格の現状と最新動向
2026年1月現在、プラチナの買取相場価格は1グラムあたり13,280円となっており、歴史的な高値圏で推移しています。
2025年12月に入ってから価格は急激に上昇し、12月中旬には1万円台に到達、下旬には1万2,000円台に乗せる水準まで上昇しました。
この急激な値動きは、市場関係者の間でも大きな話題となっています。
特に注目すべきは、2020年のコロナ禍では一時3,000円台まで下落していたプラチナ価格が、わずか数年で4倍以上に高騰している点です。
この背景には複数の構造的要因が存在し、単なる一時的な値動きではないことが専門家の分析から明らかになっています。
プラチナ価格が高騰している4つの主要理由
深刻な供給不足が継続中
2025年現在プラチナは3年連続で供給不足になる見込みで、966kozの供給不足が予測されています。
この供給不足の背景には、主要産出国における生産環境の悪化があります。
プラチナの世界生産の約80%を占める南アフリカでは、鉱山での労働問題や電力不足、大雨による生産停止などが頻発しています。
さらに、ジンバブエや北米でも鉱山再編や環境規制の影響で生産量が減少傾向にあります。
中国での宝飾品需要が急拡大
2025年の中国におけるプラチナ宝飾品需要は前年比15%増加し474kozになる見通しとなっています。
この需要増加の背景には、金価格の高騰があります。金が高価になりすぎたため、消費者はより手頃な価格で高級感のあるプラチナ製品へとシフトしています。
中国は世界最大の貴金属消費国であり、その市場動向はグローバルな価格形成に大きな影響を与えます。
宝飾品メーカーや小売店も、利益率の高いプラチナ製品に注力する動きを強めています。
自動車産業における需要の変化
プラチナの全需要の約6割が工業用途で、そのうち4割が自動車産業で利用されています。
近年、ガソリン車の排ガス触媒において、価格が高騰したパラジウムの代替としてプラチナを使用する動きが加速しています。
2018年から2023年まではプラチナの価格を上回っていたパラジウムから、プラチナへ切り替える動きが強まり、2026年1月現在では、プラチナがパラジウムの価格を上回っています。
この代替需要は、一度採用されると車種の生産期間中(通常7年間)は継続するため、安定的な需要として期待されています。
投資需要の増加と金との価格差縮小
金価格の高騰により、相対的に割安感あるプラチナへ需要がシフトする動きが確認されており、個人投資家による地金(インゴット)投資も活発になっています。
長年、金よりも安い価格で取引されてきたプラチナですが、その希少性を考えると割安であるという認識が広がっています。
実際、プラチナの採掘量は金の約18万トンに対してわずか7千トン程度であり、希少性だけで見ればプラチナの方が圧倒的に高いのです。
2026年以降のプラチナ価格予測
短期的な見通し(2026年前半)
2026年1月にかけては値動きがいったん落ち着く可能性がありますが、世界的な供給不足が続いていることや中国を中心とした需要が底堅いことを踏まえると、価格が急激に下落する可能性は高くないと考えられています。
専門家の多くは、大きな下落よりも、緩やかな上昇・高値安定が予想される見方が多いとしています。
ただし、世界情勢や為替の影響を強く受けるため、短期的な上下変動は避けられません。
中長期的な展望(2027年以降)
2026年のプラチナ相場は上昇し、しばしば反落・調整をこなしながら上値を切り上げ、歴史的高値を更新する展開になると予測されています。
この楽観的な見通しを支える要因として、以下の3つのポイントが挙げられます。
ポイント1: 水素社会の到来とプラチナ需要
水素関連のプラチナ需要は2023年現在ではまだ少ないが、2020年代を通じて大きく増えると期待されており、2040年までにはプラチナの年間需要の35パーセントを占めると予測されています。
燃料電池車(FCV)では、プラチナを触媒として、水素と酸素を合わせて電気と水を発生させ、自己発電します。中国が2030年には燃料電池車100万台生産する計画を発表しており、これが実現すれば大量のプラチナ需要が生まれます。
さらに、水電解による水素製造の電極にもプラチナが使用されており、グリーン水素の生産拡大に伴いプラチナ需要は増加する見込みです。
ポイント2: 欧州の環境政策転換
EUの2035年までに新車販売におけるエンジン車の台数をゼロにするという方針の撤回・修正の動きは、減少していた欧州地域における自動車向けプラチナ需要が増加する可能性を大きくしています。この政策変更は、ディーゼル車向けプラチナ需要の下支えとなります。
ポイント3: 供給リスクの高まり
主要な鉱山生産国の自由度・民主度の低下が目立ち、資源の武器利用(この場合はプラチナの出し渋り)が起きる可能性が高まっていることも、長期的な価格上昇要因となっています。
プラチナ価格に影響を与えるリスク要因
米国の金融政策
アメリカの高金利維持により、プラチナ価格が下がる可能性が考えられます。
金利が引き上げられると景気が減速し、商品需要が低迷するため、自動車の生産が減少すれば、プラチナ価格は下落する可能性があります。
2026年1月現在は7会合連続で金利据え置きが続いていますが、今後の金融政策の動向は注視が必要です。
電気自動車(EV)の普及動向
バッテリー式EVの急速な普及は、内燃機関車向けの排ガス触媒需要を減少させる可能性があります。
ただし、燃料電池車(FCEV)の普及がこの減少分を補うと期待されており、EV化が必ずしもプラチナ価格の下落要因とはならない見方が優勢です。
為替変動
プラチナは国際市場でドル建てで取引されるため、円安が進めば国内価格は上昇しやすくなります。
逆に円高になれば、国内価格は下落圧力を受けます。
プラチナを売却する最適なタイミング
今が売り時である3つの理由
現在、世界的なインフレや地政学リスク、再生可能エネルギー分野の成長を背景に、プラチナ価格が急上昇しています。
2025年12月時点で、プラチナはすでに高値圏に突入しているのが現実です。
理由1: 歴史的高値圏での推移
現在のプラチナ価格は、ここ数年で最高水準にあります。「もっと上がるかも」と待ちすぎてタイミングを逃すリスクを考えると、現在の高値水準は魅力的な売却機会といえます。
理由2: 短期的な調整の可能性
急激に上昇した後は、一時的な価格調整が入る可能性があります。高値圏で推移している今のうちに売却を検討するのも一つの戦略です。
理由3: 不確実性への対応
地政学リスクや金融政策の変更など、予測不可能な要因で価格が変動する可能性があります。確実に高値で売却できる今を逃さないことも重要です。
待つべき場合の判断基準
一方で、以下の条件に当てはまる場合は、もう少し様子を見るのも選択肢の一つです。
- 水素社会の本格的な到来を期待する長期投資家
- 中国での需要増加がさらに加速すると予想している場合
- 供給不足がさらに深刻化すると見込んでいる場合
ただし、プラチナや金などの相場は、上がり続けることはありません。
急に下落することもあるため、「もっと上がってから売ろう」と考えていたら、気づいた時にはチャンスを逃してしまったという事例も少なくありません。
プラチナ投資の注意点
価格変動リスク
プラチナは金と比べて価格変動が大きい傾向があります。
工業需要の影響を強く受けるため、世界経済の動向によって価格が大きく変動します。
流動性の考慮
金と比べると、プラチナは市場規模が小さく、流動性が低い場合があります。
大量に保有している場合は、売却時の価格への影響も考慮する必要があります。
保管コスト
現物のプラチナを保有する場合、保管コストや保険料が発生します。
投資信託やETFを利用する場合は、信託報酬などのコストも考慮しましょう。
プラチナの将来性と投資価値
希少性という本質的価値
プラチナの採掘量は金よりも圧倒的に少なく、その希少性は揺るぎません。
長期的に見れば、この希少性が価格の下支え要因となります。
産業用途の多様性
自動車触媒、燃料電池、水素製造装置、宝飾品、医療機器など、プラチナの用途は多岐にわたります。
この多様性が、特定産業の不振時でも需要を維持する要因となっています。
脱炭素社会への貢献
プラチナは長年にわたって内燃機関を使う自動車の有害排気物を軽減し、工業では触媒として生産高を増やし燃料効率を上げることで炭素排出の軽減に役立ってきました。
今後の環境規制強化により、プラチナの重要性はさらに高まると予想されます。
まとめ:プラチナ価格の今後と投資戦略
2026年のプラチナ市場は、供給不足の継続、中国での需要増加、水素社会への期待という3つの追い風を受けています。
短期的には高値圏での横ばい推移が予想されますが、中長期的には緩やかな上昇トレンドが続く可能性が高いと考えられます。
ただし、米国の金融政策や世界経済の動向によっては、一時的な価格調整が入る可能性もあります。
現在の歴史的高値圏を考慮すると、保有しているプラチナ製品の売却を検討するには良いタイミングといえるでしょう。
投資としてプラチナを考えている方は、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で需給バランスや技術革新の動向を注視することが重要です。
特に水素社会の実現スピードは、今後のプラチナ価格を左右する最大の要因となるでしょう。
プラチナ市場は今、大きな転換点を迎えています。適切な情報収集と冷静な判断で、この貴重な投資機会を活かしましょう。

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