プラチナは何に使う?用途から見る価値と今後の価格展望

投資

プラチナの主な用途を徹底解説

プラチナと聞くと、多くの方が結婚指輪やネックレスなどの宝飾品を思い浮かべるでしょう。

しかし、プラチナの活躍の場はそれだけではありません。

私たちの日常生活を支える重要な素材として、さまざまな分野で活用されています。

自動車産業での触媒利用(約40%)

プラチナの最も重要な用途のひとつが、自動車の排気ガス浄化装置です。

マフラー内の三元触媒コンバーターに使用され、有害な排気ガスを無害な物質に変換する役割を担っています。

具体的には、一酸化炭素を二酸化炭素に、窒素酸化物を窒素と酸素に、炭化水素を水と二酸化炭素に分解します。

プラチナは耐久性と耐熱性が高く、長期間その効果を維持できるため、環境規制に対応する自動車メーカーにとって欠かせない素材となっています。

宝飾品としての利用(約35%)

日本は世界最大級のプラチナジュエリー市場を誇ります。

婚約指輪の92%、結婚指輪の82%にプラチナが使用されており、その白い輝きが「純潔・永遠」を象徴するとして高い人気を維持しています。

プラチナの純度が高い製品(Pt950やPt900)は、アレルギー反応を起こしにくく、変色や変質しにくい特性があります。

ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す白色の美しさも、宝飾品として選ばれる理由のひとつです。

医療器具への応用

プラチナは体内に入れても酸化しにくく、アレルギー反応を起こしにくい性質を持つため、医療分野でも広く利用されています。

主な医療用途としては、心臓ペースメーカーの電極、カテーテル、抗がん剤の一部、歯科治療での詰め物などがあります。

厚生労働省も認可しており、安全性の高さが評価されています。

工業用途での活躍(約22%)

私たちの生活に欠かせない電子機器にもプラチナが使われています。

パソコンのハードディスクに内蔵される微小磁石、液晶テレビの基板、データ記録媒体などに利用されています。

IT化やデジタル化の進展により、これらの用途でのプラチナ需要は今後も増加すると見込まれています。

燃料電池技術

脱炭素社会への移行が進む中、水素燃料電池の触媒としてプラチナが注目されています。

水素と酸素から電気を生成する化学反応を促進する役割を果たし、クリーンエネルギー技術の要となっています。

その他の意外な用途

  • 化学産業: 肥料製造に使われる硝酸の生産、高品質シリコーンゴムの製造触媒
  • 石油産業: 低オクタンの石油ナフサを高品質製品に改質する触媒
  • 美容分野: ナノ化した「白金ナノコロイド」として、抗酸化作用を持つサプリメントや化粧品に配合
  • 万年筆: ペン先に使用され、摩耗しにくいため長期間安定した書き味を保つ

プラチナ価格の推移と暴落からの復活

2020年の大暴落

2020年、新型コロナウイルスの流行により世界経済が低迷し、プラチナ相場も大きな打撃を受けました。

過去10年間で最低価格となる1グラムあたり2,553円を記録し、市場には悲観的な見方が広がりました。

2023-2024年の回復局面

しかし、2023年から状況は一変します。

コロナ禍からの回復と新たな需要の高まりにより、プラチナ市場は大きな転換期を迎えました。

2024年1月時点で約4,800円前後だった価格は、12月には5,300円台まで上昇しました。

2025年の歴史的高騰

2025年は、プラチナにとって記録的な年となりました。

年後半から価格上昇の勢いが加速し、12月のクリスマスラリーでは前例のない急騰を見せました。

  • 12月23日: 810円の上昇
  • 12月24日: 日足として初の4桁上昇(1,122円)
  • 12月中旬: 1万円台突破
  • 12月下旬: 1万2,000円台に到達

2026年1月現在も高値圏で推移しており、上昇基調が続いています。

なぜプラチナ価格は高値を維持するのか

深刻な供給不足

プラチナは3年連続で供給不足に陥る見込みで、2025年は966kozの供給不足が予測されています。

主要産出国である南アフリカの生産回復が遅れており、供給制約が長期化しています。

需要の底堅さ

供給不足が続く一方で、需要面では大きな落ち込みが見られていません。

中国市場の旺盛な需要
2025年の中国におけるプラチナ宝飾品需要は前年比15%増加し、474kozになる見通しです。金価格の高騰により、より手頃な価格のプラチナへと需要がシフトしています。

自動車触媒需要
環境規制の強化により、排気ガス浄化装置への需要が堅調に推移しています。

投資需要の増加
個人投資家による地金投資も活発化しており、プラチナETFへの資金流入が加速しています。

金との価格差による割安感

2025年8月時点の金・プラチナ倍率は約1.2倍で推移しています。

金価格の上昇に比べてプラチナ価格が相対的に割安であることから、投資マネーがプラチナに流入し、価格を押し上げています。

プラチナは金よりも産出量が少なく希少性が高いにもかかわらず、価格が低い状態は市場の歪みとも言えます。

この是正が進むことで、さらなる価格上昇の余地があります。

今後のプラチナ価格予想:高値圏での推移が続く理由

短期的展望(2026年前半)

結論から言うと、プラチナ価格は短期的に急落する可能性は低く、高値圏で推移する可能性が高いと考えられます。

その理由は以下の通りです:

  1. 継続する供給不足: 2026年も供給不足の状況が続く見込み
  2. 需要の安定: 中国の宝飾品需要、自動車触媒需要ともに底堅い
  3. 投資需要の増加: 金との価格差による投資妙味の高まり

中長期的展望(2026年後半以降)

中長期的にも、プラチナ価格を支える要因は複数存在します。

水素エネルギー分野の拡大
燃料電池車や水素発電の普及により、触媒としてのプラチナ需要が増加する可能性があります。

リサイクル技術の限界
使用済み製品からのリサイクルは進んでいますが、新規採掘の供給不足を完全には補えません。クローズド・ループ・リサイクルにより工場内で再利用される分を考慮しても、市場全体での供給は制約されています。

地政学的リスク
主要産出国が南アフリカやロシアなど限定されているため、政情不安や貿易制裁などのリスクが価格を下支えします。

プラチナ投資を始めるタイミング

高値圏でも投資価値はあるのか

現在の価格水準は確かに高値圏にありますが、以下の理由から投資価値は十分にあると考えられます:

  1. 供給不足の長期化: 構造的な供給制約が続く見込み
  2. 新興国の需要増加: 中国をはじめとする新興国の宝飾品需要が拡大
  3. 環境技術への応用: 脱炭素社会実現に向けた触媒需要の増加

投資方法の選択肢

プラチナ積立
楽天証券、SBI証券、マネックス証券では1,000円から積立投資が可能です。ドルコスト平均法により、価格変動リスクを抑えながら投資できます。

地金(インゴット)購入
一定量を積み立てると、現物のプラチナとして引き出すことも可能です。資産の実物保有を希望する方に適しています。

プラチナETF
株式のように売買でき、流動性が高いのが特徴です。2025年には「プラチナの果実」への資金流入が加速しました。

プラチナ投資のリスクと注意点

高値が続く見込みとはいえ、投資には常にリスクが伴います。

価格変動リスク

プラチナは金よりも市場規模が小さいため、価格変動が大きくなる傾向があります。

工業用途が主要な需要源であるため、景気動向に敏感に反応します。

トランプ関税の影響

2025年には「TACO取引」という言葉が浸透しました。

米国の保護主義的な政策が再強化された場合、サプライチェーン全体に混乱が生じ、プラチナ市場も不安定化するリスクがあります。

技術革新による代替

燃料電池や触媒技術において、プラチナを使わない代替技術が開発される可能性もゼロではありません。

ただし、現時点では実用レベルの代替技術は限定的です。

まとめ:プラチナの多様な用途と明るい価格展望

プラチナは宝飾品としてだけでなく、自動車触媒、医療器具、電子機器、燃料電池など、現代社会を支える重要な素材として幅広く活用されています。

2020年のコロナショックで大暴落を経験したプラチナ価格ですが、その後着実に回復し、2025年には歴史的な高騰を記録しました。

今後も以下の要因により、高値圏での推移が続くと予想されます:

  • 継続する供給不足(3年連続)
  • 中国を中心とした宝飾品需要の拡大
  • 環境規制強化による自動車触媒需要の安定
  • 水素エネルギー分野での新たな需要創出
  • 金との価格差による投資妙味

プラチナは希少性が高く、多様な産業で不可欠な素材です。

一時的な価格調整はあっても、中長期的には右肩上がりの成長が期待できる投資対象と言えるでしょう。

投資を検討される方は、少額から始められる積立投資などを活用し、リスクを分散しながら資産形成に取り組むことをおすすめします。

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