はじめに:マネックスの画面を見るたびに不安になるあなたへ
マネックス証券の口座を開いてプラチナ関連の投資信託を購入した。
最初は期待に胸を膨らませていたのに、気づけばポートフォリオは赤字表示。
スマートフォンで残高を確認するたびに「やっぱり売ってしまおうか」という気持ちが湧いてくる——そんな経験をしている方は、決して少なくないはずです。
特にマネックス証券のような使いやすいオンライン証券では、リアルタイムで損益が確認できる仕組みが整っています。
これは投資管理の利便性という意味では大きなメリットですが、裏を返せば「毎日、毎時間、自分の損失と向き合わなければならない」という精神的なプレッシャーにもなり得ます。
しかし、プラチナという資産の性質を深く理解すれば、短期的な価格変動に一喜一憂する必要がなくなってくるかもしれません。
この記事では、マネックス証券でのプラチナ投資信託の選び方・始め方に加えて、含み損と向き合いながら長期で保有し続けるための考え方をご紹介します。
プラチナとはどんな資産か?「有限性」という最大の強み
地球上に極めて少ないレアメタル
プラチナ(白金)は、金(ゴールド)よりもさらに希少性の高い貴金属です。
地球上に存在するプラチナの総量は非常に少なく、これまでに採掘されたプラチナをすべて集めても、オリンピックサイズのプールの約3分の1にも満たないと言われています。
産出国も極めて限定的で、世界の生産量の約70〜80%は南アフリカに集中しています。
この地政学的な集中リスクも、プラチナ供給の不安定要因として市場に織り込まれています。
採掘量は増やせない。有限資源の本質
金や銀と同様に、プラチナは掘れば掘るほど残りが少なくなる「有限資源」です。
技術の進歩で採掘効率は向上していますが、地中に存在する量自体は変わりません。
新たな大規模鉱脈の発見も非常にまれです。
この「有限性」こそが、プラチナを長期投資の対象として魅力的にしている根本的な理由の一つです。
需要が一定以上存在し続ける限り、供給が有限であれば価格は長期的に上昇圧力を受け続けるはずという論理は、非常に説得力があります。
多様な需要が価格を下支え
プラチナの需要は宝飾品だけではありません。
自動車の排気ガス浄化装置(触媒コンバーター)への使用が全体の需要の大きな割合を占めており、特にディーゼル車に多く使われます。
近年注目されている水素社会においても、燃料電池の電極触媒としてプラチナが不可欠な役割を果たすことが期待されています。
さらに、電子部品・医療機器・ガラス製造など、工業用途での需要も根強く続いています。
こうした多方面からの需要が、プラチナ価格の長期的な下支えになっていると考えられます。
マネックス証券でプラチナに投資する方法
投資信託でのプラチナ投資
マネックス証券では、プラチナを含む貴金属全般、あるいはコモディティ(商品)全般に投資するファンドを購入することができます。
代表的なアプローチとして、以下のような選択肢があります。
貴金属特化型ファンド:プラチナをはじめ、金・銀・パラジウムなどの貴金属に分散投資するファンドです。プラチナ単体のリスクを抑えながら貴金属全体の値動きに連動できます。
コモディティ型ファンド:原油・天然ガス・農産物などとともに貴金属にも投資するファンドで、幅広いコモディティ市場への分散効果が得られます。
金ETF・プラチナETF:マネックス証券では東証上場のETFも購入可能です。プラチナそのものの価格に連動することを目指すETFを活用すれば、より直接的なプラチナへの投資が可能です。
マネックス証券でのファンド選択のポイント
ファンドを選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。
信託報酬(コスト):長期保有を前提とするなら、信託報酬は低ければ低いほど有利です。年率1%以上の高コストファンドは、長期になるほど運用成績を圧迫します。
為替ヘッジの有無:プラチナはドル建てで取引されるため、円高局面では円換算の評価額が下がります。為替ヘッジあり・なしのどちらが自分の投資スタイルに合っているかを考えましょう。
純資産総額と運用実績:純資産が少ないファンドは繰上償還のリスクがあるため、ある程度の規模があるものを選ぶと安心です。
リアルタイムで損益が見える恐ろしさ。これが「売りたい衝動」を生む
オンライン証券ならではのプレッシャー
マネックス証券のような利便性の高いオンライン証券を使う最大のメリットの一つは、スマホやPCからいつでもリアルタイムで資産状況を確認できることです。
しかしこれは同時に、「いつでも損失が目に入る」ということでもあります。
含み損が出ているとき、ポートフォリオ画面を開くたびに赤いマイナス表示が目に飛び込んでくる。
この「視覚的な痛み」は、人間の心理に強く作用します。
損失回避バイアスという心理的罠
行動経済学では「損失回避バイアス」という概念が知られています。
人は同じ金額の「利益を得る喜び」よりも「損失を被る痛み」を約2倍強く感じるという研究結果があります。
これが「含み損が出ると売りたくなる」という非合理な行動につながる心理的な正体です。
リアルタイムで数字が更新されるたびに、この損失回避バイアスが刺激され、冷静な判断力が失われていきます。
その結果、「もっと下がる前に売ってしまおう」という衝動に駆られ、本来なら持ち続けるべき資産を手放してしまう——これが多くの個人投資家が経験する典型的な失敗パターンです。
「今、画面を見すぎている」と気づくことが第一歩
長期投資において、毎日・毎時間の価格変動は基本的に「ノイズ」に過ぎません。
数十年単位の長期トレンドを見据えているなら、日次の価格変動に一喜一憂することに意味はほとんどありません。
まず「自分は今、見すぎている」と気づくことが大切です。
チェック頻度を週1回、あるいは月1回に意図的に減らすことで、感情的な売買衝動を大幅に抑えることができます。
それでも「今が踏ん張りどころ」と思える理由
プラチナの底値はどこか?供給の限界から考える
プラチナの採掘コストは近年上昇傾向にあります。
生産コストを大きく下回る水準まで価格が下落すれば、採掘事業者は生産を縮小・停止せざるを得なくなります。
つまり、価格が下がれば供給も自然に絞られ、需給バランスが回復するという「自律的な価格調整機能」がプラチナ市場には働いています。
採掘量が有限で、かつ生産コストという「下値の壁」が存在するプラチナは、価格が際限なく下落し続ける構造にはなっていません。
長期で見れば、供給制約が価格を支えるという構造は変わらないでしょう。
水素社会・EV普及がプラチナ需要を変える
脱炭素社会への移行が加速する中、プラチナの需要構造にも変化の兆しがあります。
燃料電池電気自動車(FCEV)の普及が進めば、プラチナを使った水電解装置や燃料電池の需要は大幅に増加すると予測されています。
現在は価格が低迷していても、こうした構造的な需要増加のトレンドが本格化すれば、プラチナの価値は再評価される可能性があります。
長期の視点で資産を持ち続けることの意味が、ここにあります。
「安く買えている」という見方への転換
含み損を「損失」と捉えるのか、「まだ安く手に入れているチャンス」と捉えるのか——どちらの視点を持つかで、投資に対する精神的な負荷はまったく変わってきます。
有限資源であるプラチナを、将来より高い価格で取引されるはずの時点よりも安く持ち続けているとしたら、それは「損失を抱えている状態」ではなく「割安な資産を保有している状態」と言えるかもしれません。
投資の本質は、価値のあるものを安く仕込んで、高くなったときに恩恵を受けることです。
今の含み損は、その逆張りの証かもしれません。
マネックス証券での賢い積立投資の活用法
ドルコスト平均法で感情を排除する
含み損が出ているとき、一番やってはいけないのは「感情的な判断で売ること」です。
一方、賢いアプローチの一つが「積立投資の継続」です。
マネックス証券では投資信託の積立購入が可能です。
毎月一定額を自動的に買い付けるドルコスト平均法を活用すれば、価格が低いときには多く、高いときには少なく自動的に購入することになります。
これにより、感情に左右されることなく平均購入コストを平準化することができます。
価格が下がっているときこそ、積立を「止めない」「むしろ続ける」という判断が、長期的には大きな意味を持ちます。
投資金額と期間の見直し
もし現在の含み損で夜も眠れないほど精神的に追い詰められているなら、投資金額が自分のリスク許容度を超えている可能性があります。
その場合は全部売却するのではなく、保有量を減らして心理的に許容できる水準に調整するという選択肢もあります。
投資は長く続けることが重要です。
無理をして精神的に疲弊してしまっては元も子もありません。
自分が「これなら持ち続けられる」と思える金額・比率に見直すことは、決して負けではありません。
プラチナ投資のリスクも正直に理解しておこう
長期投資への信念を持つことと、リスクを正確に理解することは矛盾しません。
プラチナ投資には以下のようなリスクも存在します。
為替リスク:プラチナ価格はドル建てで決まるため、円高が進むと円換算の評価額は下がります。
流動性リスク:株式に比べてプラチナ関連ファンドの市場規模は小さく、急激な解約が起きた場合の影響を受けやすい面があります。
需要構造の変化リスク:ディーゼル規制強化や技術の変化により、自動車触媒としてのプラチナ需要が減少するリスクがあります(一方で水素需要が補う可能性もあります)。
地政学リスク:主要産出国である南アフリカの政情不安や労使紛争が供給に影響することがあります。
これらのリスクを理解した上で「それでも長期的には価値がある」と自分自身が納得して保有し続けることが、真の意味での長期投資です。
まとめ:リアルタイムの数字に惑わされず、プラチナの「本質的価値」を信じる
マネックス証券でプラチナ投資信託を保有していて含み損が出ているとき、リアルタイムで更新される損益表示は確かに精神的に辛いものです。
しかし、その「見えすぎる損失」に反応して感情的に売却してしまうことが、長期投資において最もよくある失敗の一つです。
プラチナは地球上に有限しか存在しない、希少性の高い資源です。
工業・医療・エネルギーなど多方面からの需要を持ち、水素社会の到来によってさらなる需要増加も期待されています。
短期的な価格変動がどうあれ、「有限であること」と「多様な需要があること」という本質的な価値は変わりません。
今、含み損を抱えながら画面を眺めているあなたへ。
これは「損している」状態ではなく、「有限の資産を安く持ち続けている」状態かもしれません。
今こそ踏ん張りどころです。
積立を続け、画面を見る頻度を減らし、長期の視点を保つ。
それがプラチナ投資を成功に導くための、シンプルかつ力強い戦略です。

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