東京都内でクリニックを開業する医師は年々増加しています。
都心の好立地では、1駅圏内に複数の内科や皮膚科、小児科がひしめく状況も珍しくありません。
それにも関わらず、「開業したい」と考える医師は後を絶たず、医師専門の開業支援業者も増加傾向にあります。
しかし、これは裏を返せば「クリニックの激戦時代」に突入しているということ。
「開業すれば患者が自然に集まる」
そんな時代は、すでに終わっています。
本記事では、東京都内で開業を検討している医師の方に向けて、現状の分析と、これから生き残るための戦略をご紹介します。
東京都内のクリニックは飽和状態:データで見る現実
厚生労働省の「医療施設調査」によると、東京都内の診療所数(無床クリニック含む)は2023年時点で約13,000施設以上。
中でも多いのは以下のような診療科です。
- 内科系
- 整形外科
- 皮膚科
- 小児科
また、医師向けメディアの調査によると、開業から3年以内に閉院するクリニックも1割前後に上るとも言われています。
競争の激しさを物語っていますね。
このように、東京都心部では患者の奪い合いがすでに始まっており、「どこにでもあるようなクリニック」では生き残れないのが実情です。
これからのクリニックに求められる3つの視点
クリニックを開業するだけで成功できる時代ではありません。
今後生き残るクリニックには、以下の3つの視点が必要不可欠です。
専門性・差別化の明確化
「ただの内科」ではもう差別化になりません。
患者はネットで検索し、比較・検討した上で来院を決めます。
そのため、明確な強みを打ち出すことが重要です。
例:
- 糖尿病専門クリニック(専門医が在籍)
- アトピーや脱毛など、特定疾患に特化した皮膚科
- 発達障害・不登校対応の児童精神科
- 産業医と連携した企業向け健診クリニック
患者中心の医療サービス
診療の質は当然として、それ以外の体験も含めて「通いたくなる」クリニックである必要があります。
- 予約の取りやすさ(LINE予約、WEB予約)
- 待ち時間の短縮・可視化
- わかりやすい説明と丁寧な接遇
- バリアフリー対応
患者のニーズに細かく応えられるかが問われます。
地域とのつながり
都市部であっても、地域密着型の運営は強みになります。
- 地域の健康イベントに参加
- 近隣小学校・高齢者施設との連携
- 在宅医療の導入
「近所で信頼できるクリニック」として定着すれば、口コミでの紹介も期待できます。
成功するクリニックに共通するポイントとは?
実際に東京都内で患者を安定的に集めているクリニックには、以下のような共通点が見られます。
デジタル活用が上手い
- Googleマップの口コミを丁寧に管理
- LINEや公式サイトで予約が完結
- 問診票もオンラインで事前入力可能
- インスタやYouTubeで情報発信
「医療×マーケティング」はもはや当たり前の時代です。
明確なコンセプトがある
- 例:「働く女性のための内科クリニック」
- 例:「こどもと家族のメンタルを支える心療内科」
ターゲットを絞ることで、「このクリニックなら安心」と思わせることができます。
スタッフがよく教育されている
医師一人の頑張りでは限界があります。
受付・看護師・医療事務の接遇、言葉遣い、表情ひとつでクリニックの印象が大きく変わります。
開業時に意識すべき戦略と準備チェックリスト
これから開業を検討している方は、以下の項目を確認してみてください。
商圏調査
- 競合の数、診療科、評判、人口動態などを徹底リサーチ。
差別化ポイントの設計
- 自身の専門性を活かせる診療科・サービスを明確に。
マーケティング戦略
- 開業前からWEB・SNSで情報発信。
- ホームページ制作はプロに依頼するのが基本。
スタッフ採用・教育
- 採用段階から「共に成長できる人材」を選定。
- 接遇研修やマニュアル整備も重要。
開業資金と経営計画の明確化
- 初期投資、固定費、損益分岐点の把握。
- 開業支援コンサルを活用する場合も、丸投げは危険。
まとめ:開業はゴールではなく勝負の始まり
東京でのクリニック開業は確かに簡単ではありません。
しかし、厳しいからこそ「戦略的に成功できるチャンス」もあります。
- 自分はどの患者層に、どんな価値を提供できるのか?
- 他のクリニックではできないことは何か?
- 患者目線で、また来たくなる仕組みが整っているか?
これらを深く考え抜き、「開業=スタートライン」として捉えれば、激戦の中でも選ばれるクリニックをつくることができます。
おわりに
もし、現在開業を検討している・あるいはすでに開業していて伸び悩んでいるという方がいれば、ぜひ一度「マーケティング視点」「差別化」「患者目線」について、立ち止まって考えてみてください。
成功の鍵は、「医療技術」だけではない時代です。


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